用語集

用語集あ〜お

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目次

・用語集 あ       ・用語集 い       ・用語集 う       ・用語集 え       ・用語集 お

 

用語集 あ

r値: ランクフォード値。板材の加工性を示す値の一つで、板幅方向ひずみεwと板厚方向ひずみεtの比(r=εw/εt)で表される。

IPF: Inverse Pole Figure(逆極点図)の略。

亜共晶: 共晶反応が起こる合金組成より濃度が低い状態。

亜共析: 共析反応が起こる合金組成より濃度が低い状態。

圧延加工: 上下にロールを配置した圧延機において、回転するロールに板などの材料を投入して上下から荷重を加えることにより変形させる。これにより板を薄くしたり、形状を変えたりすることができる。

亜時効: ピーク時効より短時間側。

アノード: 電子を放出する側の電極のこと。電池で言えば陰極、電解反応で言えば陽極のことを指す。

アモルファス: 不規則な原子配列状態を保持し、結晶構造のような規則的な原子配列を持たないもののこと。ガラスなど。

転位の再配列などにより形成する転位網。一般には隣接する結晶粒同士の方位差がに満たないものをいう。

アルクラッド: 耐食性が低い2000系や7000系といったAl-Cu系合金に対し、1000系やその他耐食性に優れる合金を表面に貼り付けた合板。

アルマイト: アルミニウムの防食手段の一種で、アルミニウム表面に形成した酸化膜のこと。

アレニウスの式: 化学反応の速度定数はk=Aexp(-Q/RT)の式で示される(Aは定数、Rは気体定数、Qは活性化エネルギー、Tは温度)。これをアレニウスの式とよび、ある温度下における反応速度の推定が可能である。

あわ模型: 金属の結晶構造や転位の構造等を模して観察するために用いる。石鹸水を使用することで簡便に作製することができ、学生実験等でよく用いられる。

暗視野像: 試料に光(もしくは電子線)を当てた時に発した、散乱光や反射光(もしくは回折波)の情報のみを収集し観察する像。TEMにおいては明視野よりも組成コントラストが大きく、微細な粒子も明瞭に観察できる。また結晶粒の観察にも適する。

 

用語集 い

EBSD: 電子線後方散乱回折(Electron Back Scattered Diffraction Pattern)。主にSEMなどで利用される解析手段で、試料表面に電子線を当てた際に発生する回折波を解析することにより情報を得る分析手法。

一方向凝固: 鋳造方法の一種であり、ある一定の方向に凝固方向を限定した結晶制御技術。

一様伸び: 均一伸びを参照。

異方性: 結晶方位のコントロールによって発現する性質で、例えば長手方向や厚さ方向、幅方向などによって材料の物性が異なること。圧延や伸線といった塑性加工を行うと加工方向に結晶方位が揃いやすく、異方性が現れやすい。

 

用語集 う

ウィスカ: めっきにおいて発生することがある、主に10μm以下の直径をもった単結晶のこと。ひげ結晶とも呼ばれる。

ウルフネット: 3次元構造である結晶構造を平面的に表わし、3次元座標で解釈するために用いられる図。

 

用語集 え

HCP: Hexagonal Close Packed(六方最密充填)の略。

液相: 液状の相で、溶融した金属のこと。

S-S曲線: 応力ひずみ線図を参照。

S-N曲線: 疲労において応力振幅とサイクル数の関係を示したもの。

X線回折: X-ray Diffraction(XRD)。X線を照射することにより結晶構造によって特定の回折ピークを示す。この回折ピークを用いて物質の同定が可能である分析手法。

XRD: X-ray diffraction(X線回折)の略。

エッチピット: 転位の存在する部分が優先的に腐食して形成した孔のこと。これを用いて転位の観察が行われる。

n値: 加工硬化指数。塑性変形が開始してからネッキングが開始するまでの傾きのことで、n値が高いほど加工硬化し易い。

FCC: Face Centered Cubic(面心立方格子)の略。

m値: ひずみ速度感受性指数。加工硬化指数(n値)を求める際、真応力(σt)と真ひずみ(εt)はσt = K・εt^nで示されるが、ひずみ速度(εv)を加味するとσt = K・εt^n・εv^mとなる時のmの値のこと。

遠心鋳造法: 鋳造法の一種で、一般的な重力鋳造に対し遠心力を用いて鋳造するもの。偏肉や湯流れ不良が問題となるときに有効な鋳造法で、重力鋳造では困難な複雑形状の鋳造が実現できる。

延性: 伸びること。またその性質。

エンブリオ: 核生成における核になる前の段階のこと。エンブリオは基本的に消滅する性質があり、たまたま核になることができた時に成長を続け結晶になる。

 

 

用語集 お

応力: 任意の外力で荷重を受けた時に内部で外力に対して反発するために発生する力。荷重を断面積で除した値であり、金属界では主にMPa(たまにGPa)が単位として用いられる。

応力指数: 結晶の降伏現象を説明したJohnston-Gilmanの理論において、可動転位の速度νは加えたせん断応力τによりν=kτ^mで示される。この時のmを応力指数と呼ぶ。

応力ひずみ線図: 引張試験によって得られ、縦軸に応力、横軸にひずみを描画した曲線のこと。金属の基本的な機械的性質の一種である強度や伸びといった情報が得られる。

応力腐食割れ: 応力負荷環境下においては、通常の腐食環境よりも割れが発生しやすい。これは応力負荷が原因により腐食が促進されるものもあれば、元々腐食していた部分に与えられた荷重によって割れが進行する場合もある。

オーステナイト: 通称γ相。鉄の相の一種で、面心立方構造を持つ。また磁性を持たない。

押出加工:  ビレットと呼ばれる鋳造棒を、ダイスと呼ばれる加工したい形状の穴が開いた金型に向かって押し出す加工方法。

オストワルド成長: 大きい粒子は成長し、小さい粒子は消滅していく現象のことで、異なる粒子径の粒子間で起こる。析出物の成長で言えば析出密度の低下や析出物サイズの増大が起こる。

オロワン機構: 析出強化や分散強化の強化理論の基となるもの。析出(分散)粒子が母相より硬いかつ一定の粒子サイズを持つ時、転位は粒子を切って通過できず転位線のループを形成して通過すること。

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