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用語集 ま
マルテンサイト: 鉄の相の一種で、炭素を過飽和に固溶したオーステナイト相から急冷することにより発現する。非常に硬く脆い。
用語集 み
ミラー指数: 金属はほとんどの場合に結晶構造を持つ。結晶構造をxyzの3次元で考えた時に、座標情報を示し方向や面を数値で表したものをミラー指数とよぶ。方向は[xyz]、面は(xyz)、等価(座標軸で考えて相対的に同じと捉えられるもの)な場合はそれぞれ〈xyz〉、{xyz}でまとめて表される。例えばx軸に沿って原点から1進みyとz成分を持たない時の方向は[100]、xとyとz軸において同じ距離1進んだ方向は[111]である。原点から距離1でx軸のみに接している面は(001)、xとyとz軸それぞれ距離1で接する面は(111)である。
用語集 む
用語集 め
明視野像: 試料に光(もしくは電子線)を当てた時に発した、透過光(もしくは透過波)の情報のみを収集し観察する像。基本的な顕微鏡像を得るためのモードである。
面欠陥: 2次元的に発生する欠陥。積層欠陥などが該当し、界面も広義には面欠陥である。
面心立方格子: 金属の結晶構造の一つで、AlやCu、γ-Feなどが該当する。
用語集 も
用語集 や
焼入れ: 高温から水や油などを用いて一気に冷却し、急激な温度変化を与えること。
焼きなまし: 加工などによって導入されたひずみを除去したり、組織のばらつきを抑え標準化するために行われる。一般的にはひずみの少ない再結晶組織を形成する。
焼きなまし双晶: 焼きなましによって発生する双晶のことである。変形双晶では一般的に界面が双晶面を取らず転位を導入した形をとるが、焼きなまし双晶は界面に双晶面が入る形をとる。CuやFeなどで見られ、Alでも稀に確認される。
焼きならし: 主に鉄鋼材料で用いられる熱処理で、加工後の組織の均一化や加工性の向上等を目的に行われる。
焼戻し: 主に鉄鋼材料で用いられる熱処理で、焼入れ処理によってマルテンサイト変態した組織の靭性回復のために行われる。
ヤング率: 弾性率を参照。
用語集 ゆ
融点: 金属が溶解するときの温度。Tmと略すこともある。
用語集 よ
溶体化: 合金中の溶質原子を固溶限以上に固溶させて、過飽和固溶体をつくること。
予き裂: 破壊靭性試験などにおいて、あらかじめ導入しておくき裂のこと。
用語集 ら
らせん転位: 転位の構造が原子層一層分のズレを起こしているもので、螺旋階段のように時計回りもしくは反時計回りにぐるりと段差があるもの。
用語集 り
リバーパターン: 脆性破壊の特徴とされる破面。川のように線が流れている形から名付けられた。
粒界: 結晶と結晶の境界。任意の角度を持つ。
粒界拡散: 粒界に沿った拡散のこと。結晶粒内に比べて粒界の方が拡散しやすく、一般的な拡散現象の一つである。
粒界偏析: 粒界において溶質原子濃度が高くなり偏析が起こること。粒界に偏析することによってエネルギーを低下させ安定的になるため粒界に集まる。
リューダース帯: 塑性変形が起こり、ひずみが大きく導入された領域に発生する帯状のもの。微細なすべり線が重なって帯状に発達するが、必ずしも全てのすべり線がリューダース帯と同じ方向を向くわけではない。軟鋼やAl-Mg系合金の一部に見られる特徴的な変形挙動である。
臨界せん断応力: ある断面積Aを持つ単結晶を外力Fで引っ張ると、とあるすべり面が働くとする。このすべり面のすべり方向と外力Fの方向の間の角度をλ、すべり面の法線と外力Fの間の角度をφとした時にせん断応力は、τ=F/A・cosλ・cosφで示され、この時のτを臨界せん断応力という。CRSS(Critical Resolved Shear Stress)とも呼ばれる。
用語集 る
用語集 れ
冷間加工: 室温もしくは低温で行う加工のこと。温間加工や熱間加工と異なり、再結晶が起こりにくいためひずみが蓄積する。
用語集 ろ
六方最密充填: 金属の結晶構造の一つで、MgやZn、α-Tiなどが該当する。