生活習慣を客観的に見つめてみる
そもそもなぜ生活習慣の見直しが必要なのかと言うと、過敏性腸症候群に大きく関与しているからです。治療には薬物療法や食事療法、あるいは心理療法などがありますが、日常の暮らしぶりを見直すだけで、症状が軽減したり治ってしまう方もいらっしゃいます。病院で治療するより自発的に改善した方がよいと思いませんか?
病院で診療を受ければ、まず生活習慣を改善するように指導されます。そのなかでも、特に睡眠や食事、排便のリズムなどが過敏性腸症候群とは深い関係があります。要するに規則正しい生活を行いましょうと言うことです。
ただ、こうして書くのは簡単なのですが、今現在の生活習慣は、長期に渡って特別意識せずに行ってきたことですから、改めるのは簡単ではありません。でも過敏性腸症候群を治すためです。
過敏性腸症候群に苦しんでいるのは、20代から30代が中心ですからピンと来ないかもしれませんが、以前は成人病といわれていた、がんや心臓病、脳卒中などの生活習慣病を予防する意味としても大きな効果があります。生活習慣病は日常を積み重ねてから発症しますので、若い世代でも決して軽視したらいけません。
見直すとはいえ自分ではなんとなく悪い生活習慣だとわかっていても、認めたくない自分もいるでしょうし、漠然としている部分もあるはずです。簡単なメモ書き程度でもよいので、一定の期間、起床時間や就寝時間、食事の時間と内容などを記録してみましょう。記録を一定期間行えば、今まで気付かなかった部分もでてくるはずです。どう改善するべきなのかもはっきりします。
完璧主義が多い過敏性腸症候群ですから、一旦生活習慣を見直すからには徹底的にと言う方もいらっしゃると思いますけど、あまり頑張り過ぎるとストレスをかかえる原因になります。完璧主義である必要はなく80点を取ればよいと言う風に 考えましょう。
悪い生活習慣であるタバコとお酒
二十歳以上の方は、タバコやお酒も控えるようにした方が、過敏性腸症候群のためのみならず、いわずもがな健康全般のためです。
タバコもお酒もよいとは言えない生活習慣です。特にタバコは何一つよい結果を生むことはありません。ストレスの解消になるような気がしますが、逆にストレスになります。たとえばガス型の方はタバコを吸うことによって、空気を吸うのではなく呑み込む行為になってしまい、ガスの原因を作ってしまいます。
お酒はたしなむ程度であれば、健康にも寄与するといわれます。心地よい睡眠にもいざなってくれます。何事も度が過ぎない程度が肝心ですけれど、飲酒の量をコントロールできないなと感じたら、綺麗さっぱり禁酒する勇気が必要です。