過敏性腸症候群の大きな原因はストレス

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過敏性腸症候群はストレスが大きな原因

過敏性腸症候群は器質的(物理的)な異常がないのが特徴で、直接命に関わるような病気ではありません。つまり、腹痛や下痢あるいは便秘がはっきりとした原因、たとえば細菌感染であったり腸が炎症を起こしていたりと言うことがありません。ですから、医師によっては原因不明で終わらせられてしまうこともあります。

 

ストレス

 

過敏性腸症候群は、器官のどこかに異常があるのではなく、ストレスが一番大きな原因であると考えられています。これは筆者自身も経験して納得する部分です。これを読まれている皆さんも経験上そう考えられるのではないかと思います。

 

筆者の経験では、ストレスになるような、たとえば学生時代のテストでは始まる前と言うか極端な話、当日の朝起きてから「お腹が痛くなって下痢を我慢することにならなければいいな」と考えてしまってました。同時に不安感もありました。こうなると大腸で感じる痛みなどの症状に意識が集中してしまい、予定通りともいえる腹痛を起こしていました。

 

ストレスとお腹の調子の関係

ストレスは過敏性腸症候群に限らず、様々な病気の要因になるものです。しかし、なぜストレスを感じるとお腹に影響するのかと考えると不思議です。

 

これは脳と腸の間には密接な神経網(腸管神経系)があり、もともと影響を受けやすい部分であるためだとされています。ご存知のように腸は第二の脳とまでいわれます。ストレスと感じるのはもちろん脳なんですけど、腸も脳と同じようにストレスを感じています。自分のようにお腹が弱い人であれば、尚更影響が大きくなるわけです。

 

このような症状を改善するには「ストレスをなくしましょう」と書籍などでよく見聞きします。しかし、現代社会でストレスを受けない生活は不可能です。本当に全くストレスを受けなければ、ふぬけになってしまうような気もします。全てをなくすとは考えず、極端なストレスを感じる事象であれば、できるだけ回避するように、またストレスをなくすと言う考えではなく、ストレスを感じないようにすることが大切です。

 

セロトニンと腸の関係

ストレスが過敏性腸症候群に影響すると言うことは以前からわかっていましたが、ストレスと過敏性腸症候群の関係にはセロトニンが介在していると言うことがわかってきています。ストレスを受けると脳からの信号で腸内でたくさんのセロトニンが分泌されます。これがセロトニン受容体と結合すると、腸はセロトニンに反応してが蠕動運動を起こし腹痛や下痢の症状につながります。

では、セロトニンが増えたらいけないのかと言うとそうではありません。セロトニンが増えるとストレスに強くなります。そうするとストレスに強くなりますから、今までストレスを感じていたことであってもストレスを受ける可能性が低くなりますから腸への影響もそれだけ少なくなります。

 

セロトニンは人間が幸福感を感じる神経伝達物質で、「幸せホルモン」といわれています。そのためうつ病はセロトニンの量が足りないことが原因であるとされています。セロトニンは脳が分泌すると一般的に思われていますが、脳に存在しているセロトニンと言うのは、わずかな量で2%ほど、あとのほとんどが腸に存在しています。

薬物療法ではセロトニン受容体との結合を抑えるセロトニン3受容体拮抗薬が使われます。

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