脳が腹痛を腰痛・背痛と勘違い
過敏性腸症候群と腰痛は一見何の関係もないように思えます。しかし、過敏性腸症候群で腹痛のほかに腰痛も訴える方もいらしゃいます。
筆者は別の場所に痛みがでていましたが、腰痛の症状がある方はかなり多いようです。それも痛みがひどいと訴えていらっしゃる方が目立ちます。
自分の場合は腰ではなく背中に痛みがありました。幸いなことに痛くてたまらないと言うほどひどくはなく、ぼんやりとした痛みです。痛みがでる場所は同じではないのですが、腰痛と背痛の原因は同じなんだと思います。
過敏性腸症候群は読んで字の如く腸に関係する病気ですから、腹痛など消化器系の症状が主になります。しかし腹部を含む内臓の痛みは、腰や背中にでてくることがあります。これは「関連痛」といわれるもので、関連した神経の別の場所を脳が勘違いして、本来痛いと感じるべき場所とちがったところに痛みを感じます。冷たいものを食べて頭が痛くなった経験が誰にでもあるはずですけど、これも関連痛のひとつです。
背痛が過敏性腸症候群の症状とは
筆者が過敏性腸症候群に最も苦しんでいた時期は「関連痛」と言う言葉さえ知りませんでしたから、背痛が過敏性腸症候群のひとつの症状だとは考えもしませんでした。
筆者の場合、痛みがあるのはいつも心臓の裏側です。ですから「もしや心臓からくる痛み?やばい?」と思っていました。いつもくよくよと考えてしまう性格なのですが、不思議にこの点に関してはあまり深く考えることはしていませんでした。
どうして背中が痛くなるのか全くわかりませんでしたが、疲れがたまったりした時にでやすかったことを記憶しています。疲れとストレスには関連性があり、ストレスで自律神経が乱れると過敏性腸症候群の症状につながります。こんな関連性があるとは知識がないとやっぱりわかりませんよね。腰痛を感じる方も、筆者と同じように疲れやストレスが引き金になっているではないかと思います。
では、今でも背痛を感じることがあるのかと言うと、過敏性腸症候群が完全に治ったわけではありませんから偶にあります。でも、いまはその傾向があると言う程度になっています。今考えると腹痛が起こる頻度と背痛の頻度は比例していると思います。
背中の痛みは、よほど疲れた時や緊張が続いてストレスがたまった時などには極まれにありますが、過敏性腸症候群の症状が治るに従って背中の痛みも同様に感じることが少なくなりました。
筆者は背中の痛みを医者に訴えたことはないのですが、腰痛や背中の痛みがひどければ、やはり医者に一度相談した方がよいと思います。腰痛にしても背中の痛みにしても、本当に過敏性腸症候群からの痛みなのか、ほかの原因があってそうなっているのか、はっきり診断が付いた方が安心です。
では何科にいけばいいのか?と言う疑問が生じると思いますが、まず信頼しているホームドクターへ相談することをおすすめします。必要であればホームドクターから適宜専門医を紹介していただくこともできます。